社労士の仕事・社労士コラム

社労士と中小企業診断士どっちが難しい?ダブルライセンスはおすすめ?将来性は?

社労士中小企業診断士は、両方とも国家試験の合格者に与えられる資格です。

両資格とも著名かつビジネスマンに人気。

どちらも難易度の高い資格ですので、両方の資格に興味のある方は以下のような疑問をお持ちではないでしょうか。

  • 社労士と中小企業診断士、どちらの難易度が高いの?
  • ダブルライセンスにメリットはある?
  • そもそもダブルライセンスはおすすめ?
  • どちらか一方を取るとすれば、どちらがよい?

この記事を読めば、上記のような疑問がスッキリ解消されますので、気になる方は是非チェックしてくださいね。

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社会保険労務士(社労士)と中小企業診断士の仕事内容の違い!

社会保険労務士(社労士)と中小企業診断士は、ビジネスマンから人気の国家資格です。

どちらも中小企業が抱える問題点を把握して解決を目指す資格ですので、社会保険労務士(社労士)と中小企業診断士は需要や将来性が高いです。

まず最初に、社会保険労務士(社労士)と中小企業診断士の仕事内容がどのように違うのか見ていきましょう。

  • 社会保険労務士(社労士)は労働関係の法律を領分とする国家資格で、労働社会保険に関する書類や帳簿書類の作成を行う仕事
  • 中小企業診断士は中小企業の経営者やクライアントに対して、経営面の相談や課題解決の手助けを行う仕事

企業へのサポートやアドバイスを行う点では、社会保険労務士(社労士)も中小企業診断士も一緒です。

社会保険労務士(社労士)と中小企業診断士の試験内容の違い!

社会保険労務士(社労士)と中小企業診断士は、試験内容や試験範囲に違いがあります。

社会保険労務士(社労士)の試験科目は次の10分野です。

他の資格と比べて社会保険労務士(社労士)の難易度が高いと考えられているのは、科目数の多さが理由!

一方で中小企業診断士の試験は、下記の7つの科目で構成されています。

  • 経済学・経済政策
  • 財務・会計
  • 企業経営理論
  • 運営管理
  • 経営法務
  • 経営情報システム
  • 中小企業経営・政策

科目数は社会保険労務士(社労士)よりも少ないのですが、中小企業診断士の試験はマークシートによる選択式の1次試験と、記述と面接からなる2次試験の2つです。

簡単に取得できるほど甘い試験ではありませんので、社会保険労務士(社労士)や中小企業診断士の試験合格を目指している方はスケジュールを練って学習に取り組みましょう。

社労士と中小企業診断士の難易度を比較!

社労士と中小企業診断士の難易度を合格率の推移で比較

社会保険労務士(社労士)と中小企業診断士の試験のどちらが難しいのか気になるところですよね。

そこで、まずは社会保険労務士(社労士)の試験の合格率を見ていきましょう。

試験年度 受験者数 合格者数 合格率
平成24年度 51,960人 3,650人 7.02%
平成25年度 49,292人 2,666人 5.41%
平成26年度 44,546人 4,156人 9.33%
平成27年度 40,712人 1,051人 2.58%
平成28年度 39,972人 1,770人 4.43%
平成29年度 38,685人 2,613人 6.75%
平成30年度 38,427人 2,413人 6.28%

合格率が3%を切る年度もありますので、社会保険労務士(社労士)は難易度の高い試験だとわかります。

次に中小企業診断士の試験の合格率をまとめてみました。

試験年度 1次試験受験者数 1次試験合格率 2次試験受験者数 2次試験合格率
平成24年度 14,981人 23.5% 4,878人 25.0%
平成25年度 14,252人 21.7% 4,907人 18.5%
平成26年度 13,805人 23.2% 4,885人 24.3%
平成27年度 13,186人 26.0% 4,941人 19.1%
平成28年度 13,605人 17.7% 4,394人 19.2%
平成29年度 14,343人 21.7% 4,279人 19.4%
平成30年度 13,773人 23.5% 4,812人 18.8%

社会保険労務士(社労士)の試験とは違い、中小企業診断士は1次試験と2次試験の両方に合格しないといけません。

そのため、2つの試験をトータルで考えてみると、中小企業診断士の合格率は4%~5%程度になります。

つまり、社会保険労務士(社労士)と中小企業診断士の試験は、同じくらいの難易度だと考えて問題ないでしょう。

しかし、社会保険労務士(社労士)の試験がマークシートによる択一式と選択式なのに対して、中小企業診断士の試験には記述式の問題があります。

同じくらいの難易度でも試験対策のやり方は全く違いますので、ダブルライセンスを目指す方は十分に注意してください。

社労士の難易度については、下記記事もチェックしてみてください。

社労士の難易度
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社会保険労務士(社労士)と中小企業診断士のダブルライセンスのメリット!

社会保険労務士(社労士)と中小企業診断士は、関連性の高い資格です。

非常に相性が良いので、社会保険労務士(社労士)と中小企業診断士のダブルライセンスを目指す方は増えています。

片方の資格しか持たない人と比べて、ダブルライセンス者は自分のアピールポイントが増えるのです。

なぜ社会保険労務士(社労士)と中小企業診断士のダブルライセンスを目指すべきなのか、いくつかのメリットを挙げてみました。

試験内容で被る部分がある

社会保険労務士(社労士)と中小企業診断士は、試験内容で少なからず被る部分があります。

最初に社会保険労務士(社労士)の試験に合格した人であれば、他者よりも有利に中小企業診断士の勉強を進められるわけです。

以下では、社会保険労務士(社労士)と中小企業診断士の試験で重複する内容を解説していきます。

  • 中小企業診断士の1次試験で出題される企業経営理論の組織論では、社会保険労務士(社労士)の労働保険関係の法律問題が出題される
  • 中小企業診断士の2次試験で出題される組織を主論点として内容は経営コンサルティングに関する内容なので、社会保険労務士(社労士)で習う知識や実務が役立つ

中小企業診断士の試験で得点源科目にできる確率が他の受験生よりも高いため、社会保険労務士(社労士)とのダブルライセンスは狙いやすいと言えます。

顧客に高付加価値なサービスを提供できる

顧客やクライアントに対して高付加価値なサービスを提供できるのは、社会保険労務士(社労士)と中小企業診断士のダブルライセンスのメリット!

社会保険労務士(社労士)の資格を取得した方は、次の3つの業務をこなすことができます。

  • 1号業務:労働社会保険諸法令に基づく提出すべき申請書類の作成や手続きの代行
  • 2号業務:就業規則や労働者名簿など労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類等の作成
  • 3号業務:会社の人事や労務管理上の相談業務に応じて適切なアドバイスやコンサルティングを行う

参考:https://houritsu.tac-school.co.jp/blog/sharosi/1604290106.html

社会保険労務士(社労士)の3号業務は独占業務ではありませんが、コンサルティング業務に特化した社労士事務所は増えました。

もし社会保険労務士(社労士)に加えて中小企業診断士の資格も持っていれば、更に多くの内容のコンサルティングができます。

2つの資格の知識を活かしたアドバイスや指導ができれば、顧客やクライアントの満足度も高まるわけですね。

コンサルティング業務をメインで行おうと考えている社会保険労務士(社労士)は、中小企業診断士とのダブルライセンスを目指してみてはいかがでしょうか。

独立開業で大きな強みになる

他の資格との組み合わせにも該当しますが、社会保険労務士(社労士)と中小企業診断士のダブルライセンスは独立開業で大きな強みになります。

中小企業診断士として独立するに当たって魅力的なポイントはあるものの、企業勤務とは違って収入が安定しないのがデメリット…。

顧客を確保しないと利益を出せないため、常に営業活動を続けないといけません。

独立開業して失敗している中小企業診断士は少なくありません(例:サラリーマンに戻るなど)。

しかし、社会保険労務士(社労士)の資格も持っていれば他者と差別化を図れますので、生き残りやすいといえます。

自分のアピールポイントが増えれば顧客からの信頼も勝ち取ることができますので、独立開業して契約を結びやすくなるわけです。

AIによる代替に対応できる

AI技術の進展により、士業の資格を持っている方でも仕事が減っていくと考えられています。

以下では、士業別でAIによる代替の確率についてまとめてみました。

士業 主な業務 AIによる代替の可能性
中小企業診断士 中小企業へのコンサルティング 0.2%
弁護士 訴訟代理などの法律事務 1.4%
司法書士 登記や供託に関する手続き 78.0%
社会保険労務士 労務や社会保険に関する書類の作成 79.7%
公認会計士 財務書類の監査や証明 85.9%
行政書士 官公署に提出する書類の作成 93.1%

参考:https://www.nri.com/-/media/Corporate/jp/Files/PDF/news/newsrelease/cc/2015/151202_1.pdf

社会保険労務士(社労士)の独占業務の就業規則や賃金台帳の作成は、AIに代替される可能性があります。

しかし、コンサルティング業務がメインの中小企業診断士は人と人とのコミュニケーションで成り立っていますので、AIに代替されにくい将来性の高い仕事です。

かと言って、独占業務のない中小企業診断士の資格だけでは仕事を獲得するのは難しい部分もあります。

社会保険労務士(社労士)とのダブルライセンスが強いのは何となくイメージできるのではないでしょうか。

社会保険労務士(社労士)と中小企業診断士の資格はどっちがおすすめ?

社会保険労務士(社労士)と中小企業診断士のダブルライセンスはおすすめですが、どちらも難易度の高い試験ですので簡単に合格することはできません。

同時並行で勉強を進めるのは現実的ではありませんので、社会保険労務士(社労士)か中小企業診断士か片方を最初に選ぶ形になります。

「どっちの資格がおすすめなの?」と迷っている方は多いのですが、自分が将来何を目指すのかで変わるのが特徴です。

一般企業や社労士事務所に転職し、勤務社労士として働きたいのであれば社会保険労務士(社労士)が良いでしょう。

もちろん、実務経験をしっかりと積んだ後に、社会保険労務士(社労士)の資格を活かして独立開業するのもOK!

一方、経営プロフェッショナルや経営コンサルタントとしての活動を考えている方は、中小企業診断士の資格がおすすめです。

中小企業診断士はビジネスパーソンが新たに取得したい資格で第1位に輝いていますので、企業で働くにしても独立するにしても役に立つのは間違いありません。

社労士と中小企業診断士のダブルライセンス(兼業)の具体的な活用

社会保険労務士(社労士)と中小企業診断士のダブルライセンスになれば、兼業して良い部分を活かした業務ができます。

社会保険労務士(社労士)は書類の作成手続きを行う資格だとイメージしている方はいますが、組織と人をマネジメントする能力を発揮できます。

中小企業診断士と似た部分がありますので、この2つの資格は兼業で相性が良いわけです。

人によって資格の活かし方は変わりますが、社会保険労務士(社労士)をメインに中小企業診断士の切り口を加えた人事や労務のコンサルティングに取り組むこともおすすめです。

多くの社員を抱えている中小企業や中堅企業では、人に関するニーズは必ずあります。

社会保険労務士(社労士)と中小企業診断士の知識を持つ人によるコンサルティングは、中小企業からの需要があるのです。

コンサルティング業務はAI等のIT技術ではカバーできない部分ですので、社会保険労務士(社労士)と中小企業診断士のダブルライセンスでアピールしてみてください。

まとめ

社会保険労務士(社労士)と中小企業診断士のダブルライセンスになるメリットについておわかり頂けましたか?

転職したり独立開業したりするに当たり、この2つの資格は大いに役立ちます。

どちらも難易度の高い試験ですが、スキルアップのために社会保険労務士(社労士)と中小企業診断士の資格取得を目指してみてください。

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社労士コラムについては、下記の記事も参考にしてください。

この記事の監修者
氏名 西俊明
保有資格 中小企業診断士 , 宅地建物取引士 , 2級FP技能士
所属 合同会社ライトサポートアンドコミュニケーション