社労士の仕事・社労士コラム

社会保険労務士(社労士)の報酬や顧問料は源泉徴収の対象?

社労士の報酬と源泉徴収

社会保険労務士(社労士)の報酬の相場はどのくらい?

これから社会保険労務士(社労士)を目指すに当たり、「仕事をした時の報酬はどのくらいなの?」と疑問を抱えている方はいませんか?

難しい試験をクリアして社会保険労務士(社労士)になったのですから、「少しでも多くの報酬をもらいたい」「独立してしっかりと稼ぎたい」と考えるのは当然ですよね。

個人のお客様なのか法人なのかで変わりますが、以下では社会保険労務士(社労士)の個々の仕事で発生する報酬の相場をまとめてみました。

社労士の業務内容 報酬の相場
健康保険・厚生年金保険適用 80,000円~130,000円
労災保険・雇用保険適用 50,000円~100,000円
保険料の算定・申告 25,000円~70,000円
就業規則の作成 150,000円~300,000円
就業規則の変更 30,000円~
諸規定の作成 50,000円~100,000円
諸規定の変更 30,000円~
助成金の申請 成功報酬として15%程度
給与計算 10,000円~40,000円
労働保険の年度更新 30,000円~70,000円

社会保険労務士(社労士)が行う独占業務の1号業務と2号業務は、1回の書類の作成や手続きで金額が決定します。

上記の報酬の相場はあくまでも中小企業を前提としていますので、従業員の多い大企業では別途で金額が増加する仕組みです。

※社労士の各種報酬の相場について詳細は、以下の記事も参考にしてください。

社労士の報酬
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また、社会保険労務士(社労士)の中で、3号業務のコンサルティング業務に力を入れている方は少なくありません。

コンサルティング業務は付加価値の高い仕事内容で、ワンタイムの個別相談であれば90分50,000円程度の相場、人事評価・賃金制度の設計は1回50万円、目標管理制度の導入は1回80万円程度が相場です。

これは社会保険労務士(社労士)の知識やスキルによって変わりますので、実力があればもっと大きな報酬をもらえます。

社労士のコンサルティング業務については、下記記事も参考にしてください。

社労士のコンサルティング業務
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社会保険労務士(社労士)の顧問料の報酬はどのくらい?

社会保険労務士(社労士)は個々の仕事をこなすだけではなく、クライアントと顧問契約を結んで顧問料をもらうこともできます。

顧問契約とは、単発ではなく毎月継続して社会保険労務士(社労士)の仕事全般を依頼する契約です。

企業側の立場に立ってみると、社会保険労務士(社労士)と顧問契約を結ぶに当たって次の3つのメリットがあります。

  • 人材やお金に関して企業の事情を良く把握している専門家にすぐに相談できる
  • 毎回決まった専門家が相談に乗ることにより、従業員の安心感が向上して信頼度が上がる
  • 的確な法改正情報を知る専門家が適切な対応をすることで会社運営が円滑化する

社会保険労務士(社労士)は労働や社会保険に関する法令を円滑に進めたり労働者の福祉の向上を図ったりと様々なサポートをしてくれますので、企業にとって心強い存在ですね。

社会保険労務士(社労士)の顧問料の報酬相場がどのくらいなのか目安を見ていきましょう。

企業の人員 社労士の月額顧問料
10人以下 20,000円~30,000円
20人以下 40,000円
30人以下 50,000円
50人以下 60,000円
60人以下 80,000円

社会保険労務士(社労士)の顧問料は、対応する人員の人数で報酬相場が変わるのが一般的です。

企業のサポートを行う社会保険労務士(社労士)の立場に立ってみると、顧問契約は新しく顧客を開拓せずに仕事を獲得できます。

社労士事務所で報酬に差が開いている理由!

社労士事務所により、顧客からもらう報酬には差が開いています。

なぜ社会保険労務士(社労士)の報酬は一定ではないのか、いくつかの理由を見ていきましょう。

  • 社労士事務所の知名度によって契約金額が変わる
  • 社会保険労務士(社労士)の力量やスキルで報酬が変化する
  • 同じ業務でもどこまで仕事をするのかで値段は変わる

あまりにも報酬が高すぎると顧客の満足度は下がりますので、独立開業する予定の社会保険労務士(社労士)は報酬の相場をきちんと把握しておくべきです。

参考:http://www.actv.ne.jp/~kamu1182/page012.html

社会保険労務士(社労士)の報酬や顧問料は源泉徴収の対象なの?

事業者や経理の方であれば源泉徴収が何なのかきちんと説明できると思いますが、「イマイチわからない…」という方は少なくありません。

簡単に解説すると源泉徴収とは1年間の所得にかかる所得税を給与から差し引くことで、事業者が社員に給料を支払う際に必ずやる必要があります。

そこで、「社会保険労務士(社労士)の報酬や顧問料は源泉徴収の対象なの?」と疑問を抱えている方は多いのではないでしょうか。

結論から言うと、社会保険労務士(社労士)として仕事を行った時に発生する報酬は源泉徴収の対象です。

事務所を開いて社労士報酬をもらっている方は、次の税金がそれぞれ課税されます。

  • 個人で社会保険労務士(社労士)の業務をしている場合は所得税が課税
  • 社労士法人として業務を行っている場合は法人税が課税

源泉徴収をしなければならない金額は、所得税法の第二百五条で「次の各号の区分に応じ当該各号に掲げる金額とする」と記載されていました。

顧客に源泉徴収義務が生じない例外を除いて基本的に源泉徴収の対象になりますので、社会保険労務士(社労士)は普段の業務に加えて源泉徴収に対する理解も深めておきましょう。

社会保険労務士(社労士)の報酬に対する源泉所得税の税率は?

社会保険労務士(社労士)で発生した報酬に対する源泉所得税の税率は、下記のように100万円を超えるのかどうかで変わります。

  • 報酬が100万円以下の場合は税率10.21%
  • 報酬が100万円を超える場合は税率20.42%

支払い金額から所得税及び復興特別所得税の源泉徴収を控除するのは、社会保険労務士(社労士)だけではなく弁護士や税理士など他の士業も一緒です。

例えば、顧客から社会保険労務士(社労士)の報酬として1万円をもらう場合は、実際に受け取る現金は8,979円になります。

差額の1,021円は、顧客側で従業員の給与から天引きされる所得税と一緒に納めてもらう仕組みです。

顧客が源泉徴収の仕組みや納税のやり方を把握していないケースもありますので、社会保険労務士(社労士)であるあなたがしっかりと説明できるようにしておきましょう。

社会保険労務士(社労士)の報酬で差し引くのは所得税だけ?消費税は大丈夫?

社会保険労務士(社労士)の報酬で差し引くのは、所得税だけではありません。

同じ税金でも所得税と消費税は別物ですので、消費税も忘れずに納税する義務がありますよ。

消費税は社会保険労務士(社労士)の報酬など、取引に課税される税金です。

社労士事務所の売上が1,000万円以上だった場合、消費者が消費税を負担して事業者が納税義務を負う形になります。

つまり、社会保険労務士(社労士)の仕事をして顧客から報酬や顧問料をもらったのであれば、手元に現金として残るのは源泉所得税と消費税の両方を差し引いた金額です。

社会保険労務士(社労士)の事務所を開業し、すぐに売上が1,000万円を超えることはありません。

最初のうちは消費税がかからないのですが、売上が1,000万円を超えた段階で値上げするのは難しいため、最初から報酬の中に消費税を頂くことをルール化しておくべきです。

社会保険労務士(社労士)が源泉徴収した税金の納期限!

社会保険労務士(社労士)に限った話ではありませんが、源泉徴収した税金には納期限があります。

原則として、報酬を支払った月の翌月10日までに税金を税務署に納めないといけません。

源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例については、国税庁の公式ホームページに記載されています。

参考:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2505.htm

もしこの納期限を過ぎると、罰則の対象になりますので十分に注意が必要ですね。

しかし、毎月源泉徴収した税金を納付するのは事務的に煩雑になりますので、常時10人未満の限られた社労士事務所であれば、一定の申請をすると半年間に一度の納付で済みます。

特例の適用を受けた社労士事務所は、その年の1月~6月までの源泉所得税は7月10日、7月~12月までは翌年の1月20日が納付期限です。

納付期限が土日祝日になるケースでは、翌営業日(平日)に変わりますので気をつけましょう。

源泉徴収義務者とは?

源泉徴収義務者とは、国税庁の公式ホームページで下記のように定義されています。

  • 会社や個人が社員を雇って給与を支払ったり社労士や税理士に報酬を支払ったりする場合は、支払い金額に応じた所得税及び復興特別所得税を差し引く
  • 差し引いた所得税及び復興特別所得税は、原則的に支払った月の翌月の10日までに税金を納めないといけない
  • 所得税及び復興特別所得税を差し引き、国に納める義務のある者を源泉徴収義務者と呼ぶ

参考:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2502.htm

社会保険労務士(社労士)への報酬の支払い者が法人であれば、必ず源泉徴収義務者になります。

しかし、支払い者が従業員を雇っていない個人事業主の場合は、社労士報酬を支払う際に源泉所得税を差し引く必要はありません。

源泉徴収がされていなくても仕事を依頼した顧客が源泉徴収義務者の場合、責任や罰則は顧客側が追う形になりますので、信頼関係を構築するためにも社会保険労務士(社労士)が申し出た方が良いでしょう。

源泉徴収を忘れた際に発生する延滞税はどのくらい?

源泉徴収義務を果たさずに納期限までに納めなかった時は、罰則として延滞税が科されます。

延滞税の金額は、次の①と②の合計額です。

  1. 「納付すべき本税の額×延滞税の割合×期間(法定納期限の翌日から完納の日、または2月を経過する日)」÷365(日)
  2. 「納付すべき本税の額×延滞税の割合×期間(2月を経過する日の翌日から完納の日)」÷365(日)

原則的に延滞税は法定納期限の翌日から納付する日までの日数で科されますので、源泉徴収を忘れて遅れた分だけ負担額が増える仕組みです。

顧客が源泉徴収をし忘れていると、延滞税は顧客が支払う形になりますので負担が増えます。

そのため、源泉徴収の延滞税には注意すべきだと社会保険労務士(社労士)であるあなたから説明しておきましょう。

延滞税の計算方法については、こちらの国税庁のページをご覧になってください。

参考:https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/entaizei/keisan/entai.htm

まとめ

社会保険労務士(社労士)の報酬や顧問料、源泉徴収の対象になるのかどうかおわかり頂けましたか?

社会保険労務士(社労士)の報酬に対して、「報酬が100万円以下の場合は10.21%」「報酬が100万円を超える場合は20.42%」の税率で源泉所得税がかかります。

顧客が理解していないケースも十分にありますので、社会保険労務士(社労士)がきちんと説明してあげましょう。

社労士コラムについては、下記の記事も参考にしてください。

社会保険労務士に関する記事は、下記も参考にしてみてください。