社労士の仕事・社労士コラム

社会保険労務士(社労士)と行政書士のダブルライセンスのメリット!試験内容や難易度を徹底比較!

社労士と行政書士のダブルライセンス

社会保険労務士(社労士)と行政書士の仕事内容の違い!

社会保険労務士(社労士)と行政書士は、国家資格の中でも人気です。

どちらも難しい資格ですが、スキルアップや開業目的で取得する方は増えました。

まずは社会保険労務士(社労士)と行政書士の仕事内容にどのような違いがあるのか、おおまかに見てみましょう。

  • 社会保険労務士(社労士)は労働保険や社会保険に関する書類の作成、労務に関するコンサルティングなどの業務を行う
  • 行政書士は行政の手続きで各官公署に提出する書類の作成や提出の代理などの業務を行う

同じ国家資格でも、社会保険労務士(社労士)と行政書士は仕事内容に大きな違いがあります。

社会保険労務士(社労士)が労働保険や社会保険の手続きを行うのに対して、行政書士は官公署に提出する書類の作成や相談がメインの業務ですね。

しかし、社会保険労務士(社労士)も行政書士も、資格の保有者しかできない独占業務を持っています。

独占業務ができる社会保険労務士(社労士)と行政書士は、仕事で大いに役立つと言っても過言ではありません。

社会保険労務士(社労士)と行政書士の試験内容の違い!

社会保険労務士(社労士)と行政書士は、仕事内容だけではなく試験内容にも違いがあります。

社会保険労務士(社労士)の試験科目は、全部で次の10分野です。

  • 労働基準法
  • 労働安全衛生法
  • 労働者災害補償保険法
  • 雇用保険法
  • 労働保険の保険料の徴収等に関する法律
  • 労務管理その他の労働に関する一般常識
  • 社会保険に関する一般常識
  • 健康保険法
  • 厚生年金保険法
  • 国民年金法

「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」を除くと、全ての科目で選択式問題と択一式問題があります。

選択式問題は5つの空欄に入る語句を選択肢の中から選ぶ形式、択一式問題は5つの選択肢の中から正しいもの(誤っているもの)を選ぶ形式ですね。

次に行政書士試験の科目について見ていきましょう。

<法令等>

  • 5肢択一式:「基礎法学」「憲法」「行政法」「民法」「商法・会社法」
  • 多肢選択式:「憲法」「行政法」
  • 記述式:「行政法」「民法」

<一般知識>

  • 5肢択一式:「政治・経済・社会」「情報通信・個人情報保護」「文章理解」

選択肢から正解を選ぶ問題だけではなく、行政書士の試験では設問に対する解答を40字程度で記述する記述式の問題も出題されます。

社会保険労務士(社労士)の試験も行政書士の試験も科目別の足切りがありますので、それぞれの試験科目で個別に対策を練らないといけません。

社会保険労務士(社労士)と行政書士の年収の違い!

これから資格の取得を目指すに当たり、「どのくらいの年収をもらえるのだろうか?」と疑問を抱えている方は多いのではないでしょうか。

資格を取得した後の働き方によっても変わりますが、社会保険労務士(社労士)と行政書士は下記のように年収にも違いがあります。

年齢 社会保険労務士の平均年収 行政書士の平均年収
20歳~24歳 290.0万円~320.0万円 342.0万円
25歳~29歳 456.5万円~506.5万円 426.0万円
30歳~34歳 480.8万円~580.8万円 468.0万円
35歳~39歳 497.1万円~601.1万円 534.0万円
40歳~44歳 554.4万円~675.4万円 600.0万円
45歳~49歳 634.4万円~756.4万円 672.0万円
50歳~54歳 700.4万円~810.4万円 720.0万円
55歳~59歳 693.7万円~803.7万円 714.0万円
60歳~65歳 447.0万円~803.7万円 486.0万円

参考:https://heikinnenshu.jp/shi/sharou.html

独占業務を持つ国家資格だけあり、社会保険労務士(社労士)と行政書士の平均年収はかなり高いですよ。

しかし、資格を取得した後に安定した生活を送れるのかどうかで比較してみると、行政書士よりも社会保険労務士(社労士)の方がおすすめ!

行政書士の資格を活かして働くには、資格登録をした後に独立開業しないといけません。

一方で社会保険労務士(社労士)の場合は、次の2つから働き方を選ぶことができます。

  • 特定の企業に入社して会社員としての身分を保ったまま働く勤務社労士
  • 自分で独立開業して事務所を構えて業務を行う開業社労士

勤務社労士として働ける社会保険労務士は、収入面での安定を図れるのが大きなメリットです。

勤務社労士のメリットとデメリットはこちら!

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就職や転職を検討している方にとっては、行政書士よりも社会保険労務士(社労士)の方が役立ちます。

社会保険労務士(社労士)と行政書士のダブルライセンスになるメリット!

社会保険労務士(社労士)と行政書士は、相性の良い国家資格として有名です。

独立開業や営業戦略に役立てられる部分がありますので、社会保険労務士(社労士)と行政書士のダブルライセンスを目指す方は増えました。

ダブルライセンスとは、異なる複数の資格を保有している方のことですね。

この項では、社会保険労務士(社労士)と行政書士のダブルライセンスになるメリットを解説していきます。

お互いに足りない部分を補える

お互いの資格で足りない部分を補えるのは、社会保険労務士(社労士)と行政書士のダブルライセンスのメリット!

どちらも書類の作成や代行ができる資格ですが、社会保険労務士(社労士)と行政書士は下記のように取り扱う書類の種類が違います。

  • 社会保険労務士(社労士)は健康保険や雇用保険などの手続きの代理がメイン
  • 行政書士は事業届や開業届など官公署への申請代理がメイン

もしダブルライセンスになれば、行政書士の資格を活かして会社設立に関する書類作成の手伝いをしながらも、社会保険労務士(社労士)の資格で新入社員研修や雇用契約書の作成といった相談を引き受けられるのです。

行政書士は単体で取得しても働いていくには少々厳しい部分がありますが、社会保険労務士(社労士)の資格も取得してダブルライセンスになれば他者よりも有利になるのは間違いありません。

業務の幅が広がってクライアントの要望に応えやすくなる

上記で解説した内容と少々被りますが、社会保険労務士(社労士)と行政書士のダブルライセンス者は取り扱えるジャンルが増えます。

社会保険労務士(社労士)と行政書士の業務内容自体に共通性はないものの、業務の幅が広がってクライアントの要望に応えやすくなるのは大きなメリットです。

例えば、次のようなクライアントがいた場合、どちらかの資格を単体で持っている方よりも、社会保険労務士(社労士)と行政書士のダブルライセンスの方が手厚いサポートができます。

  • 建築業における許認可関係の書類について知りたい
  • 会社を設立したいけど社会保険がわからない
  • 会社の設立で助成金が出るのか知りたい

ダブルライセンスの方が顧問契約のチャンスが高まりますので、両方の資格を活かして収入を安定させることもできるでしょう。

顧客やクライアントからの信用度がアップする

社会保険労務士(社労士)と行政書士のダブルライセンスは、次の理由で顧客やクライアントからの信用度がアップします。

  • 難しい国家資格を2つも持っている
  • 自分のアピールポイントやセールスポイントが増える
  • 2つの資格を活かした営業ができる

お客様から信頼されると、顧問契約を取れる確率が大幅に上がるわけです。

ジャンルの異なる職務をこなすことで、経験値が増えて今後のキャリア形成に良い影響を与えられるのも、社会保険労務士(社労士)と行政書士のダブルライセンスのメリットだと言えます。

独立開業する際に役立つ

行政書士の資格を取得して独立開業すれば、サラリーマン時代よりも稼げるとイメージしている方はいませんか?

確かに、年収1,000万円以上を稼いでいる行政書士はいますが、取り扱える業務が書類作成代理に限られるので報酬単価が低くなります。

継続的に契約してもらえる保障もなく、行政書士の仕事のみで稼ぐのは難しいのが現状ですね。

しかし、行政書士に加えて社会保険労務士(社労士)の資格を持っていれば、独立開業する際に大いに役立ちます。

2つの資格を活かしたアクティブな活動や手厚いサポートができますので、ダブルライセンスの方が独立開業で成功しやすいわけです。

売上のアップや報酬の底上げを考えている方は、社会保険労務士(社労士)と行政書士のダブルライセンスを目指してみてください。

社会保険労務士(社労士)と行政書士の試験を難易度で徹底比較!

社会保険労務士(社労士)と行政書士のダブルライセンスを目指すに当たり、どちらの試験が難しいのか気になるところです。

そこで、このページでは社会保険労務士(社労士)と行政書士の試験の合格率についてまとめてみました。

社労士試験の年度 受験者数 合格者数 合格率
平成24年度 51,960人 3,650人 7.02%
平成25年度 49,292人 2,666人 5.41%
平成26年度 44,546人 4,156人 9.33%
平成27年度 40,712人 1,051人 2.58%
平成28年度 39,972人 1,770人 4.43%
平成29年度 38,685人 2,613人 6.75%
平成30年度 38,427人 2,413人 6.28%
行政書士試験の年度 受験者数 合格者数 合格率
平成24年度 59,948人 5,508人 9.19%
平成25年度 55,436人 5,597人 10.10%
平成26年度 48,869人 4,043人 8.28%
平成27年度 44,366人 5,820人 13.12%
平成28年度 41,053人 4,084人 9.95%
平成29年度 40,449人 6,360人 15.7%
平成30年度 39,105人 4,968人 12.7%

合格率で比較してみると、行政書士試験よりも社労士試験の方が低くなっています。

そのため、「行政書士の方が合格しやすい」と考えがちですが、社会保険労務士(社労士)の試験とは違って記述式問題がありますので、行政書士の方が簡単だと言い切ることはできません。

どちらの試験を受験するのかは、実際の出題や試験科目、今後のキャリアを踏まえて決めるべきです。

社会保険労務士(社労士)と行政書士の兼業はどう?

社会保険労務士(社労士)と行政書士の兼業は、一つの資格を持つ方と比べて依頼や契約を取れる確率がアップします。

今後の活動の選択肢を増やして顧客をしっかりと確保できるのは、社会保険労務士(社労士)と行政書士のダブルライセンスのメリットですね。

しかし、社会保険労務士(社労士)と行政書士の兼業には次の問題点があります。

  • 先に取った資格の補完が疎かになりやすい(合格後も勉強の継続は必須)
  • 業務範囲を広げすぎると専門特化でアピールしづらくなる
  • 試験の同時並行での学習は困難を伴う

本当に今の自分に社会保険労務士(社労士)と行政書士の資格が必要なのかどうか、しっかりと考えてからダブルライセンスを目指しましょう。

社会保険労務士(社労士)と行政書士でおすすめはどっち?

社会保険労務士(社労士)と行政書士の資格で、おすすめはどっちなのか迷っている方はいます。

仕事内容やできることに違いがありますので、「○○○の資格を取得すべき!」と一概に言い切ることはできません。

企業への就職や転職を考えているのであれば社会保険労務士(社労士)、独立開業を目指している方には行政書士がおすすめです。

もしダブルライセンスを目指すのであれば、難易度を加味して「行政書士試験」⇒「社労士試験」という順番が良いでしょう。

しかし、2つの資格を一度に取得するのはハードルが高いため、社会保険労務士(社労士)と行政書士のどちらが自分に合っているのか比較してみてください。

まとめ

以上のように、社会保険労務士(社労士)と行政書士は仕事内容や試験内容、資格取得の難易度に違いがあります。

どちらの資格も独立開業に適していますので、社会保険労務士(社労士)と行政書士のダブルライセンスを目指すのは選択肢の一つです。

社会保険労務士(社労士)と行政書士の兼業に当たっていくつかの注意点はありますが、相性の良い資格を取得して自分の強力な武器にしてみてください。

社労士コラムについては、下記の記事も参考にしてください。