こんにちは、チサトです。
社会保険労務士(社労士)は、毎年4万人前後の方が受験する人気の資格です。
そのため、社労士資格に興味を持っている方も多いことでしょう。
そのような方の多くが「社会保険労務士(社労士)の難易度はどの程度? 他の国家資格と比べるとどうなの?」と疑問を持っていると思います。
そこで、今回の記事では、社労士資格の難易度について多角的に調べた結果について書いていきます。
社労士に興味がある方、ぜひ参考にしてくださいね。
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Contents
社会保険労務士(社労士)の難易度は高い低い?試験の合格率をまとめてみた
社会保険労務士(社労士)とは、労働法や社会保険に関する正しい知識を持つプロフェッショナルです。
就業規則や社会保険の手続きに関する書類を作成したり人事コンサルタントをしたりと、社会保険労務士(社労士)の業務内容はたくさんあります。
毎年4万人前後の方が受験する人気の資格ですので、社労士の難易度が気になっている方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、社会保険労務士(社労士)は難易度の高い資格です。
社会保険労務士(社労士)の難易度が高い理由を証明するために、ここでは試験の合格者数や合格率のデータをまとめてみました。
<実施年度 受験者数 合格者数 合格率>
平成21年度 52,983名 4,019名 7.6%
平成22年度 55,445名 4,790名 8.6%
平成23年度 53,392名 3,855名 7.2%
平成24年度 51,960名 3,650名 7.0%
平成25年度 49,292名 2,666名 5.4%
平成26年度 44,546名 4,156名 9.3%
平成27年度 40,712名 1,051名 2.6%
平成28年度 39,972名 1,770名 4.4%
平成29年度 38,685名 2,613名 6.8%
平成30年度 38,427名 2,413名 6.3%
令和元年度 38,428名 2,525名 6.6%
令和2年度 34,845名 2,237名 6.4%
社会保険労務士(社労士)の合格者数や合格率は年ごとに増減する傾向があります。
合格率は平均すると毎年6%前後ですが、平成27年度の試験では2.6%でした。
「15名が受験して1名が合格できるか」という試験ですので、社会保険労務士(社労士)の資格の難易度が非常に高いことがわかりますね。
社会保険労務士(社労士)を受験した人の平均回数は4回~5回と多く、必ずしも1回で合格できるとは限りません。
それでも毎年数多くの方が社会保険労務士(社労士)の試験を受験するのは、人事パーソンとしてのキャリアアップに繋がるからです。
※社労士試験の平均受験回数については、下記記事も参考にしてください。

社会保険労務士(社労士)の試験の合格率が低い理由
国家試験全体の中で見てみると、社会保険労務士(社労士)の合格率は特別低いわけではありません。
しかし、社会保険労務士(社労士)が難関資格に分類されるのは紛れもない事実です。
なぜ社会保険労務士(社労士)の資格の難易度が高いのか、なぜ試験の合格率が低いのかいくつかの理由を見ていきましょう。
受験資格が定められている
国家資格の中には、年齢や学歴に関わらず誰でも受験できる試験があります。
社会保険労務士(社労士)の試験の場合は、次の3つのいずれかの受験資格を証明しないといけません。
- 学歴(大学や短期大学、専門職大学を卒業している)
- 実務経験(実施事務に従事した期間が通算して3年以上など)
- 厚生労働大臣が認めた国家試験合格(社会保険労務士試験以外の国家試験のうち厚生労働大臣が認めた国家試験に合格したなど)
誰でも自由に受けられる試験ではないことは、社会保険労務士(社労士)の資格取得のハードルを高くする要因の一つと言えるでしょう。
※社労士試験の受験資格について詳しくは、下記の記事を参考にしてください。

試験範囲が広くて知識の整理が難しい
試験範囲の広さは、社会保険労務士(社労士)の合格率が低い理由です。
社会保険労務士(社労士)の試験は、次の科目について行われます(以下は択一式の場合)。
- 労働基準法及び労働安全衛生法(10問10点)
- 労働者災害補償保険法(10問10点、徴収法3点分を含む)
- 雇用保険法(10問10点、徴収法3点分を含む)
- 労務管理その他の労働に関する一般常識・社会保険に関する一般常識(10問10点)
- 健康保険法(10問10点)
- 厚生年金保険法(10問10点)
- 国民年金法(10問10点)
科目ごとの広範な知識をバランス良く習得して、高いレベルを維持したまま試験の合格点に達するのは並大抵のことではありません。
多くの社会保険労務士(社労士)の受験生は試験までに十分な対策を立てられないため、「何度受けても試験に合格できない…」と悩む方が増えていますよ。
長丁場の試験時間に堪えないといけない
社会保険労務士(社労士)の試験は、次のスケジュールで行われます。
- 午前中は選択式試験で10時30分~11時50分までの80分間
- 午後は択一式試験で13時20分~16時50分までの210分間
途中に1時間のお昼休みがありますが、トータルで290分間もの試験を受けないといけません。
午前中の社会保険労務士(社労士)の試験だけで力を使い果たして、午後の試験には集中力が切れてしまう受験生もいます。
他の資格試験と比べて試験時間が長丁場なのは、社会保険労務士(社労士)のハードルの高さの1つです。
選択式試験で合格基準を達成できない受験生が多い
社会保険労務士(社労士)の試験は以下の2つの形式で出題されますが、下記のようにそれぞれ合格基準が設定されています。
- 選択式試験:総得点で6~7割程度以上(原則として、各科目3点以上)
- 択一式試験:総得点で6~7割程度以上(原則として、各科目4点以上)
選択式試験と択一式試験の両方で総得点をクリアするだけではなく、全ての科目を基準点以上にしないといけません。
1つでも苦手な科目があると不合格になるため、社会保険労務士(社労士)の合格率はかなり低くなっています。
特に社会保険労務士(社労士)の選択式試験は、受験生が苦手な部分や細かい部分が出題されることがあります。
選択式の全ての科目で基準点をクリアできずに、社会保険労務士(社労士)に合格できない方は少なくありません。
選択式試験の難易度の高さは、社会保険労務士(社労士)の合格率の低さと関係していますね。
※なお、科目ごとの足切りにかかって社会保険労務士(社労士)の試験に落ちたと思っていても、合格できたというケースはあります。
それは社会保険労務士(社労士)の試験に救済措置が施されているからです。
社会保険労務士(社労士)の試験は合格率を一定のラインでコントロールしたり難易度調整をしたりするため、年度によって各科目の基準点を下げることがあるのです。
その年の平均点が例年よりも低い科目がある場合・難易度が高い場合などは、救済によって基準点(足切り)が低くなる仕組みです。
社労士試験の救済について詳しくは、下記の記事を参考にしてください。

法改正による最新の情報に対応できない
社会保険労務士(社労士)の試験は、法律と深く関わっています。
日本で定められている法律には法改正があり、毎年のように変わっているケースも少なくありません。
つまり、社会保険労務士(社労士)の受験生は、法改正で一度覚えた制度や条文をリセットして試験勉強に取り組む必要があります。
最新の情報に対応できていないと、社会保険労務士(社労士)の試験で不合格になりやすいわけです。
難易度の高い社会保険労務士(社労士)に合格するには、最新の法改正情報を正確に把握して本試験で正解を導き出さないといけないと心得ておきましょう。
※ここまで、社労士試験の合格率が低い理由を見てきました。社労士試験の合格率については、下記の記事も参考にしてみてください。

社会保険労務士(社労士)の難易度を他の資格と比較!偏差値ランキングは?
社会保険労務士(社労士)の試験の難易度が他の資格と比較してどうなのか気になりますよね。
そこで、日本の有名な資格の偏差値のランキングデータをご紹介します。
このランキングは、某掲示板サイトに存在する「資格難易度・偏差値ランキング」であり、正式な根拠はありません。
そもそも、社会保険労務士(社労士)だけではなく、他の資格にも偏差値は存在しません。
しかし、試験の難易度を測るに当たり、相対的な難易度を知るためには少なからず参考になる面もありますので、一度目を通してみてください。
偏差値70:「裁判官」
偏差値68:「検察官」
偏差値67:「弁護士(予備試験)」
偏差値66:「弁護士(ロー卒)」
偏差値65:「公認会計士(全科目一括合格)」「医師(国公立卒)」
偏差値64:「弁理士(免除なし)」「公認会計士アクチュアリー」「司法書士」「税理士(5科目受験免除なし)」
偏差値63:「医師(私立卒)」「TOEIC990点」「電験1種」
偏差値62:「弁理士(選択免除)」「1級建築士」「不動産鑑定士」
偏差値61:「税理士(3科目受験2科目免除)」「通訳案内士」
偏差値60:「社会保険労務士(社労士)」「土地家屋調査士」「中小企業診断士」「ITストラテジスト」
偏差値59:「システム監査技術者」「獣医師」「行政書士」「国税専門官」
偏差値58:「国税専門官」「国税専門官」「歯科医師」
偏差値57:「証券アナリスト」「政令指定都市市役所上級」「労働安全・衛生コンサルタント」「薬剤師(国公立卒)」
偏差値56:「測量士(受験取得)」「マンション管理士」「1級FP技能士」
偏差値55:「電験3種」「英検準1級」「電気通信主任技術者」「エネルギー管理士」
偏差値54:「技術士補」「2級建築士」「火薬類製造保安責任者甲種」「通関士」
偏差値53:「公害防止管理者」「特級ボイラー」「税理士(Wマスター5科目全部免除)」
偏差値52:「管理栄養士」「社会福祉士」「宅建」「管理業務主任者」
偏差値51:「工事担任者AIDD総合種」「ケアマネージャー」
偏差値50:「TOEIC600点」「日商簿記2級」「危険物甲種」「販売士1級」
偏差値48:「2級FP技能士」「1級ボイラー」「測量士補(試験取得) 」「浄化槽設備士」
偏差値46:「精神保健福祉士」「保健師」「助産師」「看護師」「理学療法士」
社会保険労務士(社労士)は偏差値60にランキングしていますので、難易度の高さはおわかり頂けると思います。
偏差値では65の公認会計士に劣りますが、試験の合格率は社会保険労務士(社労士)の方が低くなっています。
社会保険労務士(社労士)は大学生にとって難易度が高い?
大学生のうちに将来に向けて、社会保険労務士(社労士)の資格試験の勉強を始める方が多く見られるようになりました。
上記では社会保険労務士(社労士)の受験資格は大学や短期大学卒業と記載しましたが、大学生は例外的に卒業必須単位62単位以上を取得していると試験を受験できます。
つまり、大学の在学中に勉強を積み重ねて社会保険労務士(社労士)に合格するのは決して不可能ではありません。
しかし、社会保険労務士(社労士)は大学生にとって難易度が高過ぎる資格なのではと、疑問に感じている方は多いのではないでしょうか。
社会保険労務士(社労士)は合格率の低い試験ですが、社会人と比較してみると大学生には時間があります。
もちろん、大学でも単位を取得するための勉強や試験対策が必要でも、社会人になって働きながら資格取得の勉強をするよりかは遥かに楽です。
2018年度の社会保険労務士(社労士)合格者の中で学生は僅か0.5%と少ないのですが、それだけ価値のある資格ですので、大学生の方は試験勉強を早めにスタートしてみてはいかがでしょうか。
新卒の大学生に社会保険労務士(社労士)の資格が向いている理由
新卒の大学生には、次の理由で社会保険労務士(社労士)の資格が向いています。
- 難易度の高い社会保険労務士(社労士)の資格を持っているだけでも、他の学生と比べて一歩も二歩もリードしている
- 法人社労士の事務所や法人税理士の事務所、経営コンサルティング会社への就職で役立つ
- 一般企業への就職でも人事部や総務部で重宝される
- 計画的に努力して結果を出す能力やスキルを持っていると採用担当者にアピールできる
就職活動で内定を獲得するためには、採用側の印象に残る学生でないといけません。
社会保険労務士(社労士)の資格を持つ大学生は少ないからこそ、採用担当者の印象に残って内定獲得が有利になるわけですね。
「社会保険労務士(社労士)を持っていても未経験なら意味がないのでは?」と考える大学生は少なくありません。
しかし、就職したことのない大学生に実務経験がないのは当たり前で、企業側はポテンシャルを見込んで採用活動を行います。
通常であれば経験がないと就職が難しい企業や部署でも、社会保険労務士(社労士)の資格を持つ大学生は一目置かれた存在になるでしょう。
ただし、大学生のうちから社会保険労務士(社労士)の試験を受験する場合は、実際の労務関係や社会保険関係の実務を知らない状態です。
学習内容に実感が持てずに挫折する方もいますので、「絶対に合格するぞ!」という熱意やモチベーションが大事だと心得ておいてください。
※大学生が在学中に社労士を取得するメリットやデメリットについては、下記記事で詳しく解説していますので、よろしければこちらもどうぞ。

まとめ
以上のように、社会保険労務士(社労士)の試験の難易度、他の資格との比較や偏差値ランキングについてまとめました。
平均して合格率が6%前後の社会保険労務士(社労士)は、間違いなく難易度の高い資格です。
試験の合格率が低いのは、「受験資格がある」「試験範囲が広い」「選択式試験が難しい」など様々な理由がありますね。
しかし、社会保険労務士(社労士)の資格を持っているだけで業務や就職、転職に役立てることができますので、今から試験勉強を始めてみてください。
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社労士の試験制度や試験対策・勉強法などは、下記も参考にしてください。
<試験制度 総合>
<データや統計など>
<試験対策・勉強法(総合)>
<おすすめテキスト・問題集など>
<科目別 試験対策・勉強法>
- 労働基準法【人気!】
- 労働安全衛生法
- 労災保険法
- 雇用保険法
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- 社会保険に関する一般常識