独学だと社会保険労務士(社労士)の試験の合格率はどのくらい?
社労士試験の勉強法は、大きく以下の3つに分けることができます。
- テキストや参考書を購入して独学で学ぶ
- 予備校やスクールに通学して勉強する
- パソコンやスマホに対応した通信講座を利用する
「まず最初は独学で社会保険労務士(社労士)の資格取得にチャレンジしてみよう!」と考える方は多いのではないでしょうか。
独学で取り組んだ際に、どのくらいの確率で社会保険労務士(社労士)の試験に合格できるのか気になるところですよね。
しかし、残念ながら勉強法別の社会保険労務士(社労士)の合格率は特にデータがありません。
受験者全体の社会保険労務士(社労士)の合格率は、次のように推移しています。
平成21年度:7.6%
平成22年度:8.6%
平成23年度:7.2%
平成24年度:7.0%
平成25年度:5.4%
平成26年度:9.3%
平成27年度:2.6%
平成28年度:4.4%
平成29年度:6.8%
平成30年度:6.3%
スクールや通信講座で学習した合格者は8割程度だと推定されますので、独学での合格率はもっと低くなりそうです。
とは言え、近年では独学者向けの良質なテキストやアプリが揃っているため、スクールや通信講座を利用せずに社会保険労務士(社労士)の試験に合格するのは決して不可能ではありません。
この記事では、独学の効果的な勉強法や、独学のメリット・デメリットなどをまとめていますので、独学に関心のある方は、チェックしてみてください。
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社会保険労務士(社労士)の資格を独学で取得するメリットはこれだ!
悪い部分ばかりだとしたら、独学で社会保険労務士(社労士)の試験合格を目指す人はいないでしょう。
良い部分があるからこそ、自分一人の力で社会保険労務士(社労士)の勉強を始めて試験合格にチャレンジする方が増えています。
まず最初に、社会保険労務士(社労士)の資格を独学で取得するメリットについてまとめてみました。
勉強や学習の費用が安い
社会保険労務士(社労士)の資格取得を独学で目指す一番のメリットは、何と言ってもお金がかからないところです。
スクールへの通学や通信講座と比べてみると、独学は勉強や学習の費用を抑えることができますよ。
通うスクールや購入するテキストで変わりますが、社会保険労務士(社労士)の勉強法別の費用を比較してみましょう。
- 独学に必要な参考書やテキスト、問題集の購入にかかる費用は15,000円程度
- 通学型の予備校やスクールに通う場合は150,000円以上(有名スクールだと20万円後半~30万円程度)
- パソコンやスマホに対応した通信講座の利用は約60,000~100,000円
独学の場合は最低限の社会保険労務士(社労士)の基本書と過去本試験問題集があれば、自分で勉強ができてしまいます。
トータルでかかる費用を1万円程度に抑えることも決して不可能ではありません。
一方で通信講座の利用は6~10万円、通学コースになると、それ以上の費用がかかります。
大学生や新社会人で自由なお金がない方は、独学で社会保険労務士(社労士)の試験合格を目指してみてください。
マイペースで学習を進められる
独学で社会保険労務士(社労士)の試験勉強を始めるに当たり、マイペースで学習を進められるのは大きなメリットです。
資格の学校やスクールに通うと、次の流れでカリキュラムが組まれます。
- 前年の秋くらいから毎週平日2日間に渡って授業が行われる
- もしくは土日など週末に集中して授業が設定される
- 翌年の春くらいから問題演習が始まる
- 社会保険労務士(社労士)の本試験を迎える
普段の仕事が忙しい方や繁忙期をコントロールできない方は、定期的にスクールに通うことができません。
一方で独学であれば自分で社会保険労務士(社労士)の学習のカリキュラムを決めて、自分に合う勉強法を続けられます。
「平日はスキマ時間を使った学習で無理はしない」「土日を上手く活用して追い上げる」など、勉強のやり方は自由ですね。
時間に捉われたくない方は、社会保険労務士(社労士)のスクールへの通学よりも独学が向いています。
自分の好きな教材やテキストを組み合わせられる
社会保険労務士(社労士)のスクールや通信講座は最初から教材が決められているのに対して、独学では自分の好きな参考書やテキストを組み合わせて学習できます。
最初に教材やテキストを吟味して選んでいれば、「テキストは良かったけど問題集がイマイチだな~」といった失敗はありません。
最低限の社会保険労務士(社労士)の教材からスタートし、勉強の進み具合に合わせて買い足していく方法は特に効果的です。
また、下記に該当する方は自分で社会保険労務士(社労士)の学習範囲を選択できます。
- 既に行政書士の資格を持っていて労務関係の知識がある
- 今の会社では社労士の業務に近い仕事をしている
苦手分野に絞って集中的に学習できるのは、独学で社会保険労務士(社労士)の合格を目指すメリットです。
社会保険労務士(社労士)の独学の効果的な勉強法をまとめてみた
独学で合格率約6%の社会保険労務士(社労士)の試験に合格できるのかどうかは、全ては自分の努力次第です。
独学で社会保険労務士(社労士)に合格できた人の口コミを見てみると、「大変だった」「時間がかかった」との意見が出ています。
余程の天才でない限りは、ちょこっと勉強して受かるほど甘い資格ではありません。
そのため、独学で社会保険労務士(社労士)に合格したいのであれば、自分のライフスタイルに合うスケジュールやカリキュラムを組んで継続的に勉強を進める必要がありますよ。
具体的にどのような勉強法が効果的なのか、独学で社会保険労務士(社労士)の合格を目指す方は一度目を通しておきましょう。
- 「最新のテキストを購入する」「テキストと問題集をセットで購入する」という2つの点に気を配って参考書を選ぶ
- 最初はテキストや参考書をしっかりと読み込んで基礎固めをする(基礎ができていないと問題に躓きやすい)
- 「テキストを読む」⇒「過去問で実践力を磨く」⇒「テキストに戻って復習」とインプットとアウトプットを繰り返す
- 電車の通勤時間や職場の休憩時間にサっと学習できるスマートフォンアプリを上手く活用する
- 1日の勉強時間や1ヵ月で進める科目をあらかじめ決めて、なるべく守れるように努力する
独学で社会保険労務士(社労士)を目指すに当たり、トータルで1,000時間の勉強が必要だと考えられています。
1年間のスパンで合格したいのであれば、1日に平均して2.7時間の勉強をこなす計算です。
「途方もないな…」と感じる方は多いものの、税理士は約2,000時間、司法書士は約3,000時間程度は勉強しないといけません。
他の士業と比べると独学のハードルは低いため、諦めずに社会保険労務士(社労士)の学習を継続してみてください。
社会保険労務士(社労士)の独学が向いている人の特徴
独学で社会保険労務士(社労士)の試験に合格するのは不可能ではありませんが、誰にでも向いているわけではありません。
正しいやり方で勉強をしていても、「何年間が経っても合格できない…」という方はいます。
そこで、社会保険労務士(社労士)の独学が向いている人の特徴をいくつか見ていきましょう。
- 他の資格勉強や普段の実務経験の中で、社会保険労務士(社労士)の知識を持っている
- 過去に社会保険労務士(社労士)の試験に落ちて自分の足りない点を把握できている
- 一度組んだスケジュールをきちんと実行に移すことができる(自己管理がしっかりとできる)
向き不向きがわからない人は、最初に独学で社会保険労務士(社労士)にチャレンジし、合わなければスクールへの通学や通信講座を利用すればOKです。
社会保険労務士(社労士)の勉強を独学で続けるデメリットは?
他の学習方法と比較してみると、独学で社会保険労務士(社労士)の勉強を続けるに当たっていくつかのデメリットがあります。
ただお金がかからないからという理由で独学を選ぶと、大切な時間を無駄にしやすいので注意しないといけません。
独学で社会保険労務士(社労士)の試験合格を目指す前に、どのようなデメリットがあるのか確認しておきましょう。
法律に詳しい講師からの指導を受けられない
独学で社会保険労務士(社労士)の学習に取り組むに当たり、法律に詳しい専門の講師からの指導を受けられないのは一番のデメリットです。
「まっさらな頭の方が新しい知識を習得しやすい」と良く言われます。
しかし、法律について何の知識もない初心者は、いきなり社会保険労務士(社労士)の勉強を始めても法律の組み立て方がわかりません。
法律の理解の仕方をマスターするには慣れが必要ですので、専門の講師からの指導や助言を頂きながら社会保険労務士(社労士)の学習を進めた方がより頭に入ってきますよ。
以下では、社会保険労務士(社労士)のスクールや通信講座でどのような指導やサポートを受けられるのかまとめてみました。
- スクールに通学すれば講師と面と向かって直接教えてもらえる
- 通信講座はメールを使って講師にわからないところを質問できる
法学部卒業で法律の条文がスラスラと頭の中に入ってくるのであれば、独学で社会保険労務士(社労士)の合格を目指すのは選択肢の一つです。
そうでない人は、迷わずに自分に合う講師や通信講座を選んで社会保険労務士(社労士)の勉強を始めるほうが、おすすめです。
学習スケジュールの管理が難しい
社会保険労務士(社労士)の初学者が独学で勉強すると、次の壁にぶち当たります。
- どの分野や科目から勉強を始めれば良いのかわからない
- 過去問は何年前から解けば良いのかわからない
- 1日に何時間くらい勉強すれば良いのかわからない
不明な点ばかりの状態で、適切な学習スケジュールを管理するのは至難の業ですよね。
社会保険労務士(社労士)の試験は1年間に1回しかないため、スケジュール通りに勉強しなければ合格できません。
資格のスクールや通信講座は長年のノウハウで身につけた効果的なカリキュラムが組まれていますので、初学者でも無理なく社会保険労務士(社労士)の試験に合格できます。
社会保険労務士(社労士)の合格に必要な情報は全て提供してくれますので、学習スケジュールを上手く立てられない人に資格のスクールや通信講座が効果的です。
働きながらの勉強では挫折しやすい
社会保険労務士(社労士)の試験の合格者は、約60%近くが社会人です。
つまり、多くの人は働きながら社会保険労務士(社労士)の勉強をして合格を目指しています。
働きながらの勉強で挫折しやすいのは、独学で社会保険労務士(社労士)の合格を目指すデメリットです。
上記で説明した内容と少々被りますが、なぜ働きながら一人で社会保険労務士(社労士)の勉強を進めると挫折しやすいのか、いくつかの理由を挙げていきます。
- 仕事と資格勉強の両立では学習に費やせる時間が制限される
- 独学で社会保険労務士(社労士)の試験に合格するには長い時間と期間がかかる
- 勉強が上手くいかない時に孤独感が襲ってくる(相談する講師や仲間が少ない)
仕事をしながらの資格勉強で費やせる時間は、せいぜい1日に2時間~3時間程度です。
しかも、独学はスクールへの通学や通信講座よりも学習時間が長くなりやすいため、一人で取り組んでいるとモチベーションが下がります。
専門講師の指導やアドバイスを受けながら社会保険労務士(社労士)の学習を進めた方が遥かにやる気を維持しやすいですよ。
最新の法改正の情報が入ってくるのが遅くなる
独学で社会保険労務士(社労士)の試験勉強をしていると、最新の法改正の情報が入ってくるまでにタイムラグがあります。
社会保険労務士(社労士)の試験に合格するに当たり、法改正の情報収集は欠かせません。
基本書には発刊時点で判明している改正情報は掲載されているものの、その後に公布された情報は抜けています。
スクールへの通学や通信教育を利用していれば、自分で情報を集めなくても講師が教えてくれますので安心です。
また、独学だと法改正の情報が入ってくるのが遅くなるだけではなく、間違った知識のまま学習を進めてしまう恐れもあります。
これでは合格が遠のくばかりですので、初学者は特に社会保険労務士(社労士)のスクールに通ったり通信講座を利用したりするのが良いでしょう。
まとめ
以上のように、独学で社会保険労務士(社労士)の試験勉強をするメリットとデメリットをまとめてみました。
独学ではテキストや問題集を購入するだけで良いので、社会保険労務士(社労士)の合格までの費用を削減できます。
その代わりに、「講師からの指導を受けられない」「学習スケジュールの管理が難しい」「働きながらの勉強は継続しづらい」「法改正の情報が入ってくるのが遅い」といったデメリットがありますので注意しないといけません。
もちろん、独学にしても通信講座にしても向き不向きがありますので、自分に合う勉強法で社会保険労務士(社労士)の合格を目指してみてください。
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社労士の試験制度や試験対策・勉強法などは、下記も参考にしてください。
<試験制度 総合>
<データや統計など>
<試験対策・勉強法(総合)>
<おすすめテキスト・問題集など>
<科目別 試験対策・勉強法>
- 労働基準法【人気!】
- 労働安全衛生法
- 労災保険法
- 雇用保険法
- 労働保険徴収法
- 労働に関する一般常識
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- 社会保険に関する一般常識