社労士試験

社会保険労務士(社労士)の法改正情報!試験対策で重要な理由は?

社労士試験の法改正

社会保険労務士(社労士)の試験対策で法改正が重要な理由は?

社会保険労務士(社労士)の試験において、法改正は合否をわけるポイントになります。

それは社会保険労務士(社労士)の業務に関する法律の法改正が非常に多いのが理由ですね。

例えば、下記の項目は頻繁に法改正が行われて変更されています。

  • 健康保険の高額療養費
  • 厚生年金の保険料率
  • 介護休暇の給付日額
  • 出産手当金や出産休暇
  • 厚生年金の支給の利率の変更
  • 仕事をしたときの厚生年金の受給額の計算

一手間二手間増えたり減ったりと、昨今の景気の変動に左右されて法改正が行われるのは珍しくありません。

その年の社会保険労務士(社労士)の試験では法改正の部分が問われやすいため、忘れずに把握して対策すべきです。

主要科目の勉強に時間を取られて法改正に手が回らないと、社会保険労務士(社労士)の試験合格が遠のいてしまいます。

試験で問われやすい頻出事項と言っても過言ではありませんので、手続き方法の改定や細かい数字の変動をきちんと意識してみてください。

2019年の社会保険労務士(社労士)の法改正情報はこれだ!

社会保険労務士(社労士)の法改正に敏感になり、変更点や追加事項をいち早く習得すると試験合格に一歩近付きます。

そこで、以下では2019年度の社会保険労務士(社労士)の法改正情報を科目別でまとめてみました。

もちろん、2020年度には新たな法改正が出てきますので、社会保険労務士(社労士)の試験前に要チェックです。

労働基準法

2019年度の社会保険労務士(社労士)の法改正の中でも、一番の目玉は働き方改革関連法です。

働き方改革関連法の正式名称は「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」で、労働関係法を改正するために2019年4月以降に施行されました。

働き方改革関連法の成立により、労働基準法の法改正も行われています。

実施時期には違いがありますが、働き方改革関連法による法改正事項を見ていきましょう。

  • 残業時間の罰則付き上限規制:労働者の過労死を防ぐために、原則的に残業時間は月45時間かつ年360時間以内、繁忙期でも月100時間未満かつ年720時間以内にする
  • 5日間の有給休暇取得の義務化:1年間で10日以上の有給休暇が発生している労働者には、必ず5日間を与えないといけない
  • 勤務間インターバル制度の努力義務:疲労の蓄積を防ぐために、勤務後から次の勤務までは10時間~11時間程度身体を休める時間を設ける
  • 割増賃金率の中小企業猶予措置廃止:1ヵ月間の残業時間が60時間を超えた場合は、割増賃金の割増率を50%以上にする
  • 産業医の機能を強化:労働者の長時間労働やメンタルヘルス不調を見逃さないために、産業医による面接指導や健康相談が確実に実施されるようにする
  • 同一労働・同一賃金の原則の適用:正規社員と非正規社員の不合理な格差をなくすために、同一労働・同一賃金の原則が法文化される
  • 高度プロフェッショナル制度の創設:年収が1,075万円以上の労働者を対象に、労働時間規制や割増賃金支払いを対象外にする
  • 3ヵ月のフレックスタイム制が可能:今までは1ヵ月単位でしか適用されなかったフレックスタイム制が2ヵ月単位や3ヵ月単位でも適用される

改正によるポイントは社会保険労務士(社労士)の試験でも頻出項目ですので、きちんと押さえておかないといけません。

労働安全衛生法

労働安全衛生法の法改正は、上記の項目で説明した「産業医の機能を強化」が該当します。

他にも次の項目に関する法改正が2019年度に実施されました。

  • 面接指導:健康リスクが高い状況にある労働者を見逃さないために、1ヵ月80時間の時間外労働で医師による面接指導を確実に実施する
  • 労働者死傷病報告の様式の改正:外国人労働者の労働災害発生状況を把握する目的で、「国籍」「地域」「在留資格」を記入する欄を報告書に設ける
  • 健康管理手帳の交付対象:労働安全衛生法第67条に基づき、健康管理手帳制度交付対象業務に特定化学物質のオルト-トルイジンの製造や取扱業務を追加する

※社会保険労務士(社労士)の試験科目の一つである労働安全衛生法の出題傾向や勉強法は、こちらのページで解説しています。

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労働者災害補償保険法

社会保険労務士(社労士)の試験科目の労働者災害補償保険法は、業務上の労働者の負傷や疫病、障害や死亡に対して公正な保護をするための法律です。

労働者災害補償保険法も、2019年に下記の法改正が行われています。

  • 自動変更対象額等の変更:毎月勤労統計の平均給与額の変動に応じて保障額の自動変更対象額を定めると変更された
  • 介護補償給付の額の見直し:介護補償給付の最高限度額は特別養護老人ホームの介護職員の平均基本給、最低保障額は最低賃金の全国加重平均に考え方を見直す
  • アフターケア通院費の支給対象範囲の拡大:アフターケアを受けている方の負担を軽減するために、通院費の支給対象を「住居地または勤務地から片道2㎞以上」「同一市町村内の医療機関」まで拡大

労働者災害補償保険法の試験の出題傾向や勉強法はこちら!

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雇用保険法

雇用保険法は雇用に関する総合的な機能を有する保険法で、社会保険労務士(社労士)の大事な試験科目の一つです。

雇用保険法も以下のように様々な法改正が実施されました。

  • 特定受給資格者の範囲の見直し:3ヵ月間連続で時間外・休日労働時間が月45時間を超える場合は、特定受給資格者に該当する
  • 専門実践教育訓練給付の見直し:最短で4年間の専門実践教育訓練を受講する者は、10年間の支給上限額168万円に4年分の上限56万円が上乗せされる
  • 教育訓練支援給付金の対象者の見直し:労働者の能力開発やキャリア形成を支援する教育訓練支援給付金は、「夜間において教育訓練講座を継続して教育訓練を受けられる者」を除外する
  • 賃金日額の下限額等の改正:2019年の7月31日までに適用される賃金日額の下限額は2,480円に改正された
  • 追加給付額の算定規定:過去に行われた給付額と本来の差額が現在価値に見合うように追加給付の額に一定の率を乗じた額を加算する

※社会保険労務士(社労士)の試験科目の雇用保険法についてはこちらのページをチェック!

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労働保険料徴収法

社会保険労務士(社労士)の試験科目の労働保険料徴収法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律)は、マニュアルの出題とも呼ばれる実践的な内容です。

労働保険料徴収法が2019年度の法改正によってどう変わったのか見ていきましょう。

  • 有期事業の一括の地域要件が廃止:有期事業の一括に係る地域要件を廃止するとともに、遠隔地の小規模有期事業も一括でできるようにする
  • 有期事業の一括有期事業開始届が廃止:行政手続コストの削減を図るために、有期事業の一括有期事業開始届を廃止する

他の社会保険労務士(社労士)の試験科目と比べてみると、法改正の項目は少なくなっています。

※社会保険労務士(社労士)の試験科目である労働保険料徴収法の出題傾向や勉強法は、下記のページでまとめました。

社労士 労働保険徴収法の勉強法
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健康保険法

社会保険労務士(社労士)の重要な試験科目の健康保険法も、次のように法改正が実施されています。

  • 年間平均を用いた随時改定の取り扱い:昇給時期のズレで格差が出るのが不公平だとの行政相談が発端で年間平均を用いた随時改定が行われた
  • 健康保険の任意継続被保険者の標準報酬月額の上限:被保険者が事業主から受ける毎月の給料などの報酬の月額を区切り良くした標準報酬月額が28万円から30万円に変更
  • 協会けんぽのインセンティブ制度:労働者の健康作りを促すために、健康保険の保険料率の算定方法についてインセンティブ制度を設ける

※社会保険労務士(社労士)の健康保険法の試験内容や出題傾向、正しい勉強法はこちら!

健康保険法の勉強法
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厚生年金保険法

社会保険労務士(社労士)の試験受験者の中で、厚生年金保険法に苦手意識を持っている方は少なくありません。

国民年金法と混同しやすいのも厄介なポイントですね。

社会保険労務士(社労士)の試験科目の厚生年金保険法は、2019年度に下記の法改正が行われています。

  • 公務員に係る保険料率が上限に到達:第2号被保険者と第3号被保険者の保険料率が上限の18.3%に引き上げられた
  • 支給停止調整変更額が47万円に改定:在職老齢年金は60代前半の支給停止調整変更額と60代後半~70代以降の支給停止調整額が47万円に改定
  • 被保険者資格喪失届の省略:厚生年金保険の被保険者が同事業所で70歳またぎで使用された場合は、標準報酬月額が同額なら被保険者資格喪失届の提出が省略される

厚生年金保険法の試験の出題傾向や勉強法はこちらのページをチェック!

社労士 厚生年金保険法の勉強法
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労務管理その他の労働に関する一般常識

労務管理その他の労働に関する一般常識は、社会保険労務士(社労士)の試験の中で範囲が広い厄介な科目です。

以下では、労務管理その他の労働に関する一般常識に関する法改正情報をまとめてみました。

  • 雇用対策法の名称変更:雇用対策法から労働施策総合推進法(多様な働き方を促進させることが目的)に変更された
  • 外国人雇用状況届の届出事項の改正:外国人雇用状況届の項目の中に「法務大臣が当該外国人について指定する特定産業分野」が追加された
  • 労働時間等設定改善法の改正:労働者が十分な生活時間や睡眠時間を確保できるように、勤務間インターバルの努力が義務化された

労働時間等設定改善法の改正に関しては、上記の項目で説明した働き方改革関連法の一つですね。

※社会保険労務士(社労士)の試験科目の労務管理その他の労働に関する一般常識についてはこちら!

社労士 労務管理その他の労働に関する一般常識
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社会保険に関する一般常識

社会保険に関する一般常識は、社会保険労務士(社労士)の試験の中でも範囲が広くて絞り込みが難しい科目です。

ここでは社会保険に関する一般常識の法改正情報をいくつか紹介していきます。

  • 国民健康保険の保険料限度額の引き上げ:国民健康保険の基礎賦課分が58万円⇒61万円と3万円アップした
  • 介護保険の利用者負担の引上げ:介護サービスの利用者負担は65歳以上で現役並みの所得がある者は3割に引き上げられた
  • 子ども・子育て拠出金率の改定:新しい経済政策パッケージで子育ての支援法に定める拠出金率の上限が0.25%⇒0.45%に変更された
  • 厚生年金基金の特例解散の期限が迫る:2019年以降は財政状況が優良な厚生年金基金のみが存続する

※社会保険労務士(社労士)の試験科目の社会保険に関する一般常識についてはこちら!

社会保険に関する一般常識
社会保険労務士(社労士)の試験!社会保険に関する一般常識の出題傾向や勉強法!社会保険労務士(社労士)の試験科目の社会保険に関する一般常識について 社会保険労務士(社労士)の試験範囲は、労働基準法や雇用保険法など...

 

社会保険労務士(社労士)の試験の法改正対策はいつ行えば良いの?

1年間という時間をかけて、社会保険労務士(社労士)の試験合格を目指す方は増えています。

そこで、社会保険労務士(社労士)の試験の法改正対策をいつ行うべきなのか迷っている方はいませんか?

明確な決まりはありませんが、社会保険労務士(社労士)の試験の法改正対策は5月を過ぎた辺りからでも十分です。

2018年の8月に実施された社会保険労務士(社労士)の試験範囲は、同年の4月までに法改正されたものが含まれていました。

そのため、9月くらいから勉強をスタートする方は前年度の内容で勉強をして基本的な情報を頭に入れて全体像を掴み、翌年の5月頃から法改正に意識を向けるべきです。

法改正と言っても業務の過程が少し変わる程度ですので、全体像が記憶に定着していれば対応できないことはありません。

全国4,000以上の社会保険労務士事務所が参加する全国ネットワークのPSRでは、法改正情報が細かく掲載されています。

社会保険労務士(社労士)の試験対策に役立ちますので、是非一度ご覧になってください。

参考:https://www.psrn.jp/houkaisei/

まとめ

社会保険労務士(社労士)の試験対策で欠かせない法改正情報についておわかり頂けましたか?

労働基準法や雇用保険法を中心に、毎年細かい法改正が実施されています。

法改正は社会保険労務士(社労士)の試験で問われやすいポイントですので、忘れずに学習してください。

社労士の試験制度や試験対策・勉強法などは、下記も参考にしてください。

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