社労士と税理士は、両方とも国家試験の合格者に与えられる国家資格です。
どちらの資格にも、ライセンスホルダーのみ実施可能な独占業務があるため、両方とも人気がありますね。
ただ、どちらも難易度の高い資格ですので、両方の資格に興味のある方は以下のような疑問をお持ちではないでしょうか。
- 社労士と税理士、どちらの難易度が高いの?
- ダブルライセンスにメリットはある?
- そもそもダブルライセンスはおすすめ?
- どちらか一方を取るとすれば、どちらがよい?
この記事を読めば、上記のような疑問がスッキリ解消されますので、気になる方は是非チェックしてくださいね。
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社会保険労務士(社労士)と税理士の仕事内容の違い!
まず最初に、社会保険労務士(社労士)と税理士の仕事内容の違いについてまとめてみました。
- 社会保険労務士(社労士)は労災保険や雇用保険の手続き、コンサルティング業務を行う
- 税理士はクライアントの依頼に応じて、税務書類の作成や税務申告の代行を行う
社会保険労務士(社労士)は人事や労務に関する専門家、税理士は税金に関する専門家です。
税理士の方も社会保険労務士(社労士)と同じように、税務に関するコンサルティング業務を行うケースもあります。
社会保険労務士(社労士)と税理士の試験内容の違い!
以下では、社会保険労務士(社労士)と税理士の試験内容の違いについてまとめてみました。
- 簿記論
- 財務諸表論
- 所得税法
- 法人税法
- 相続税法
- 消費税法
- 酒税法
- 国税徴収法
- 住民税
- 事業税
社会保険労務士(社労士)は全ての試験科目を受験するのに対して、税理士は必須科目2科目を含む5科目に合格すればOKです。
両方とも取得が難しい国家資格ですが、現在では大手予備校の通信講座が増えて働きながらでも時間を見つけて勉強して合格を目指せるようになりました。
社会保険労務士(社労士)と税理士のダブルライセンスのメリット!
「社会保険労務士(社労士)と税理士は全く関係性のない資格では?」とイメージしている方はいませんか?
しかし、社会保険労務士(社労士)と税理士は相性の良い資格ですので、ダブルライセンスを目指す方は増えています。
社会保険労務士(社労士)と税理士のダブルライセンスにどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
両方の資格の独占業務ができるようになる
社会保険労務士(社労士)と税理士のダブルライセンス最大のメリットは、両方の資格の独占業務ができるようになるところです。
独占業務とは、その資格の保有者しか携わることのできない仕事を指しています。
以下では、社会保険労務士(社労士)と税理士の独占業務についてまとめてみました。
- 労働及び社会保険に関する法令に基づいて申請書の作成や手続きの代理を行う(1号業務)
- 労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類を作成する(2号業務)
- 自己申告で納めることになっている税金を代理として納める(税務代理)
- 税務申告のために税務署に提出する書類を作成する(税務書類の作成の代理)
- 納税額の計算や節税効果の算出に関する相談に乗る(税務相談)
この2つの独占業務ができるダブルライセンス者は、相談者やクライアントにとって非常に心強いものです。
社会保険労務士(社労士)と税理士の両方の資格を持っていれば、顧客からの信頼も勝ち取ることができますよ。
業務の幅が大きく広がる
どちらか片方の資格しか持っていない人と比べてみると、社会保険労務士(社労士)と税理士のダブルライセンスは業務の幅が大きく広がります。
両資格とも、前述の独占業務以外にも様々な業務がありますので、それらにも対応できるのです。
税理士の場合は税務相談だけではなく、労働問題や社会保険の相談を受けるケースも少なくありません。
そんな時に社会保険労務士(社労士)の資格があれば、同時に助言やコンサルティングができます。
更に就業規則のチェックや助成金の申請など新たな業務を請け負うこともできますので、仕事量を増やせるわけです。
依頼者の立場に立ってみても、社会保険労務士(社労士)と税理士のダブルライセンスを持つ方にまとめて相談して問題解決できますので、別々で相談するよりも楽なのは間違いありません。
独立開業で年収がアップする
以下では、社会保険労務士(社労士)と税理士の平均年収のデータをまとめてみました。
年齢 | 社労士の平均年収 | 税理士の平均年収 |
---|---|---|
20~24歳 | 290.0万円~320.0万円 | 593.9万円 |
25~29歳 | 456.5万円~506.5万円 | 739.8万円 |
30~34歳 | 480.8万円~580.8万円 | 812.8万円 |
35~39歳 | 497.1万円~601.1万円 | 927.4万円 |
40~44歳 | 554.4万円~675.4万円 | 1,042.0万円 |
45~49歳 | 634.4万円~756.4万円 | 1,167.0万円 |
50~54歳 | 700.4万円~810.4万円 | 1,250.4万円 |
55~59歳 | 693.7万円~803.7万円 | 1,240.0万円 |
60~65歳 | 447.0万円~803.7万円 | 844.0万円 |
参考:https://heikinnenshu.jp/shi/sharou.html
参考:https://heikinnenshu.jp/shi/zeirishi.html
どちらも難易度の高い国家資格だけあり、他の職業と比べて平均年収は高めです。
社会保険労務士(社労士)と税理士の資格を活かして独立開業すれば、さらに年収がアップする確率が高くなります。
それは2つの独占業務を活かして、業務の幅を広げられるのが理由ですね。
独立開業して他者と差別化を図りたいのであれば、社会保険労務士(社労士)と税理士のダブルライセンスを目指してみてはいかがでしょうか。
※社労士の年収については、下記の記事も参考にしてください。
社労士と税理士の難易度で比較!
社労士と税理士の難易度を合格率の推移から比較
ダブルライセンスを目指すにしてもどちらか片方の資格を取得するにしても、社会保険労務士(社労士)と税理士の試験のどちらが難しいのか気になるところですよね。
社会保険労務士(社労士)と税理士の試験の難易度で比較するために、まずは合格率のデータを見ていきます。
試験年度 | 社労士試験の合格率 | 税理士試験の合格率 |
---|---|---|
平成24年 | 7.02% | 16.8% |
平成25年 | 5.41% | 14.8% |
平成26年 | 9.33% | 13.8% |
平成27年 | 2.58% | 15.2% |
平成28年 | 4.43% | 13.2% |
平成29年 | 6.75% | 17.0% |
平成30年 | 6.28% | 12.8% |
合格率で比較してみると、税理士よりも社会保険労務士(社労士)の方が低いことがわかります。
平成27年度の社会保険労務士(社労士)の試験は、何と合格率は2.58%でした。
社労士より税理士のほうが難易度が高い理由
しかし、試験の難易度が高いのは社会保険労務士(社労士)ではなく税理士で、その理由をいくつか見ていきましょう。
- それぞれの出題科目の出題範囲が広い(一般的に、1科目だけで1年程度かかる)
- 11科目の中から必修科目を含む5科目に合格する必要あり
- 年に1回だけの試験を数年かけて合格を目指す人が多い
試験科目によって変わりますが、税理士の所得税法や法人税法は600時間、簿記論や財務諸表論は450時間が勉強時間の目安です。合計5科目ですから、ざっと2,500~3,000時間かかかる計算になります。
社会保険労務士(社労士)の試験は10科目で1,000時間~1,200時間が勉強時間の目安ですので、税理士に合格するまでの方が長い道のりがかかります。
もちろん、社会保険労務士(社労士)も税理士も難しい試験という点では一緒ですので、しっかりとスケジュールを練って学習に取り組まないといけません。
※社労士の難易度については、下記の記事も参考にしてください。
社会保険労務士(社労士)と税理士のダブルライセンスのデメリット…
社会保険労務士(社労士)と税理士は親和性の高い資格ですので、ダブルライセンスで業務の幅を広げるのは効果的です。
しかし、社会保険労務士(社労士)と税理士のダブルライセンスには次のデメリットもありますので、事前にきちんとチェックしておきましょう。
- 2つの国家資格を取得するまでには長い勉強時間がかかる(働きながらではかなりの期間がかかる)
- それぞれ広範囲に渡る膨大な知識を身につけないといけないため、どちらかの専門性が落ちやすい
- 自分のキャパシティーを超える依頼が来て業務をこなせなくなる恐れがある
社会保険労務士(社労士)と税理士のダブルライセンスは全くの不可能ではありませんが、難易度の高い2つの国家資格の取得までに長い期間を要すると心得ておいてください。
社会保険労務士(社労士)と税理士の資格はどっちがおすすめ?
社会保険労務士(社労士)と税理士の勉強を同時並行で進めて試験の合格を目指すのは現実的ではありません。
つまり、一般的には社会保険労務士(社労士)か税理士か、どちらかを選んで試験勉強に取り組む形になりますね。
そこで、「社会保険労務士(社労士)と税理士の資格はどっちがおすすめなの?」と疑問を抱えている方は多いのではないでしょうか。
この点に関しては、個人の状況に大きく依存します。
年収や将来性で比較してみると、社会保険労務士(社労士)よりも税理士の方が優れているのが現状です。
その代わりに、税理士の資格を取得するまでにはかなりの時間がかかりますので、覚悟を持って勉強に取り組まないといけません。
仕事内容にも違いがありますので、自分がやりたい仕事を考えてから社会保険労務士(社労士)を取得するのか税理士を目指すのか決めるのがポイント!
どっちか一方にしてもダブルライセンスにしても、自分の将来を見つめ直すことから始めてみてください。
社会保険労務士(社労士)と税理士は兼業できる?
ダブルライセンス者は、独立開業して社会保険労務士(社労士)と税理士を兼業できます。
税理士の競争が激化している現在では、労働・社会保険に関するプロフェッショナルの社会保険労務士(社労士)の資格も持つダブルライセンス者は大きな強みですね。
依頼者の立場に立ってみると、社会保険労務士(社労士)と税理士の資格を持つダブルライセンス者に依頼するに当たり、次の3つのメリットがあります。
- 税理士が行う業務と社労士が行う業務をわける必要がなく、余計なコストを抑えられる
- 別々の専門家を探して相談する手間が省ける
- 疑問や悩みが生じた時に確認や相談がしやすい
税理士として税務を中心とした経営相談に乗ってもらい、同時に社会保険などの労務も任せられますので、社会保険労務士(社労士)と税理士の兼業事務所は依頼人にとって魅力的な存在です。
内容的にもプロフェッショナルですので、ミスの心配をせずに安心して任せられます。
社会保険労務士(社労士)と税理士を兼業する予定の方は、どちらの資格を先に取得すべきなのか考えましょう。
どちらの業務をメインで携わっていきたいのか考えて、「社労士試験⇒税理士試験」「税理士試験⇒社労士試験」と順番を決めてください。
まとめ
以上のように、社会保険労務士(社労士)と税理士を仕事内容や試験内容、試験の難易度で比較してみました。
どちらも難しい国家資格ですが、独占業務を持つ社会保険労務士(社労士)や税理士には将来性があります。
ダブルライセンスになれば片方の資格よりも業務の幅を広げることができますので、通信講座や予備校に通って試験合格を目指してみてください。
【参考】本記事執筆にあたり、以下の税理士事務所のWebサイトを参考にさせて頂きました。