社会保険労務士(社労士)の試験に英語力は関係なし!
グローバル化が進む現代では、様々な業種や職種で英語力が求められるようになりました。
しかし、社会保険労務士(社労士)の試験に合格するに当たり、当然のように英語力は関係ありません。
英語が全く話せなくても中学レベルの英語力しかなくても、社会保険労務士(社労士)としての知識を兼ね備えていれば試験に合格できますよ。
社会保険労務士試験の科目は、次の10種類です。
- 労働基準法:労働条件の最低基準を定めた法律で使用者に一定の制限を設けている法律
- 労働安全衛生法:安全衛生管理体制や健康管理等を規定して労働者を守っている法律
- 労働者災害補償保険法:業務上災害や通勤災害など医療サービスや現金支給による補償を規定した法律
- 雇用保険法:必要な給付を行って雇用の安定と就職の促進を図ることを目的にした法律
- 労働保健の保険料の徴収等に関する法律:労災保険と雇用保険の保険料の徴収や事務手続きについて定められた法律
- 労務管理その他の労働に関する一般常識:介護休業法や男女雇用均等法など労働に関連する法律や、労務管理や労働経済など広く出題される
- 社会保険に関する一般常識:会保険の歴史的沿革や国民健康保険法、介護保険法から広く出題される
- 健康保険法:仕事以外の理由で病気や怪我になった際に医療費を援助されることが定められた法律
- 国民年金法:日本の年金制度の基礎になる国民年金に関する問題が出題される
- 厚生年金保険法:国民年金に上乗せされる年金制度(2階建ての2階部分)で、会社員や公務員が加入するもの
他の国家資格と比べて社会保険労務士(社労士)は試験範囲が広いため、合格率はかなり低くなっています。
合格率は6%前後とかなりの難関資格ですが、しっかりとスケジュールを立てて勉強すれば独学でも試験合格は不可能ではありません。
社会保険労務士(社労士)に英語力は必要なの?
英語力の高い社会保険労務士(社労士)は、そうでない社労士と比べて重宝される傾向があります。
もちろん、英語力が低くても社会保険労務士(社労士)の業務は十分に可能です。
以下では、社会保険労務士(社労士)の業務で英語を使わない理由をまとめてみました。
- 社会保険労務士(社労士)が業務で取り扱う書類は全て日本語表記になっている
- 社会保険労務士(社労士)の顧客やクライアントは基本的に日本で経営をしている日本人
- 外国人の経営者でも日本語や日本の事情に精通しているケースがほとんど
それでも、英語力の高さは社会保険労務士(社労士)の業務でも無駄になることはありません。
求人情報を見てみると、「英語の使用多め」「英語力を活かした仕事をしたい方に最適」「労務実務経験に加えて英語力がある方はご相談ください」という案件はあります。
社会保険労務士(社労士)として活躍の場所や仕事内容は広げたいのであれば、英語力を高めるのは選択肢の一つです。
英語力の高い社会保険労務士(社労士)が重宝される2つの理由
社会保険労務士(社労士)の仕事で英語力は必須ではないものの、英語が話せれば強みの一つになります。
勤務社労士にしても開業社労士にしても、自分のアピールポイントを増やすのはとても大事ですね。
英語力の高い社会保険労務士(社労士)がなぜ重宝されるのか、いくつかの理由を見ていきましょう。
外国人労働者の多い企業で英語が役立つ
現在では大手企業だけではなく、中小企業でも外国人を採用する会社は増えました。
飲食店を中心に様々な国籍の方が働いていますが、まだ日本に来たばかりで日本語が理解できない外国人労働者もいます。
外国人労働者の多い企業に勤めている勤務社労士は、英語で日本の制度に関する説明をするシチュエーションは多いでしょう。
そのような事態に備えて、社会保険制度における英単語くらいはマスターしておきたいものです。
外国人労働者の中で、「日本語があまりできないから会議の目的や結論が理解できない」と悩んでいる方は少なくありません。
これは労働者にとって大きなストレスですので、社会保険労務士(社労士)のフォローが大切です。
外国人労働者のストレスに敏感に気付き、社会保険労務士(社労士)が英語でサポートすることによって、少しずつより良い職場が出来上がっていきます。
法律特有の独特な言い回しと専門用語を英語で解説するのは難しいのですが、だからこそ英語力の高い社会保険労務士(社労士)が求められているわけです。
外資系企業への転職が実現できる
外資系企業の中には、英語力の高い社会保険労務士(社労士)を勤務社労士として雇いたいと考えるところがあります。
つまり、社会保険労務士(社労士)の資格に加えて「TOEIC○○○点」など英語力の高い人材は、外資系企業への転職が実現できるのです。
語学力の高い社会保険労務士(社労士)は、「日本企業」「外資系企業」「グローバルに展開するベンチャー企業」など、就職先の幅が広がります。
応募できる絶対数が格段に増加しますので、他の社会保険労務士(社労士)と比べて有利になる理由はおわかり頂けるのではないでしょうか。
あらゆる業種や職種に該当しますが、外資系企業で働くに当たって次の4つのメリットがあります。
- 高収入をもらえる可能性がアップする(競合企業よりも優秀な人材を獲得する目的で給与を上げる傾向がある)
- 多国籍の社員で構成されているため、各国の文化や商習慣について学ぶことができる
- 多様性を受容した環境で刺激を受けながら仕事をして成長できる
- きちんと成果を出していればワークライフバランスの充実を図れる
外資系企業に勤める全ての人が高収入とは言えないものの、年収アップが目的で転職を考える方は少なくありません。
英語力の高い社会保険労務士(社労士)は、自分で独立開業しなくても稼げる確率がアップします。
社会保険労務士(社労士)におすすめの英語の勉強法は?
英語ができる社会保険労務士(社労士)を目指すと言っても、話は簡単ではありません。
国家資格の社会保険労務士(社労士)の試験と同じように、英語力を高めるにはかなりの時間と努力を要します。
英語の学習にしっかりと取り組んでいるのにも関わらず、「中々上達しない…」と悩む方は意外と多いですよ。
英語の勉強法と一口に言っても、下記のようにやり方は様々です。
- 通学型の英会話教室に通ってネイティブの講師から直接学ぶ
- 音声CD教材を使ってリスニング力のアップを図る
- 参考書やテキストを購入して独学で力を身につける
- オンライン環境で英語を話せるオンライン英会話を受講する
個人によって向き不向きがありますが、普段の業務で忙しい社会保険労務士(社労士)にはオンライン英会話をおすすめします。
オンライン英会話はパソコンやスマホで好きな場所で外国人と英会話のレッスンを受けられるサービスで、10年以上も前から流行っていました。
スキマ時間を有効活用して学習できるのは、忙しい社会保険労務士(社労士)にとってありがたいことです。
ただし、社会保険労務士(社労士)が英語力を高めても、実務経験が伴っていなければあまり意味がありません。
語学力に強い資格保有者よりも、実務経験が豊富で知識と実績のある社会保険労務士(社労士)を求める企業がほとんどです。
そのため、本当に英語を学習して自分の今の仕事や今後の仕事に役立つのか考えてから取り組んでみてください。
まとめ
社会保険労務士(社労士)の資格と英語力の関係性についておわかり頂けましたか?
顧客やクライアントへの対応で、英語が話せるのかどうかはそこまで重要ではありません。
しかし、外国人労働者の多い企業や外資系企業への転職では、英語力の高い社会保険労務士(社労士)が求められます。
社会保険労務士(社労士)として更なるステップアップを図るために、英語の学習を選択肢の一つに加えてみてください。