就職や転職で活かすために、資格を取得しようと考えている方は多いのではないでしょうか。
持っている資格の数で就職率や転職率がアップするわけではないものの、他者と差別化を図って自分をアピールできます。
「一体何の資格を取れば良いのだろうか?」と迷っている方には、社会保険労務士(社労士)がおすすめです。
社会保険労務士(社労士)は企業が発展するための重要なパートナーで、労働関連法令や社会保障法令に基づいた書類の作成や代行、労務管理や社会保険に関するコンサルタントや指導といった業務を行います。
社会保険労務士(社労士)の合格者の60%以上が社会人ですので、ビジネスマンから人気の資格なのは間違いなしです。
この記事では、社会保険労務士(社労士)の資格が就職や転職で役立つ理由を解説していきます。
社会保険労務士(社労士)の資格が就職や転職で役立つ理由
就職先や転職先の選択肢が増える
国家資格の社会保険労務士(社労士)を持っていると、就職先や転職先の選択肢が広がります。
今までは考えもしなかったところで働くことができますので、社会保険労務士(社労士)は就職や転職で役立つわけですね。
以下では、社会保険労務士(社労士)の資格を活かせる職場や会社をいくつか挙げてみました。
社会保険労務士事務所
社会保険労務士事務所とは、国家資格の社会保険労務士(社労士)を持つ人が在籍している事務所です。
「税理士が在籍している税理士事務所」「弁護士が在籍している弁護士事務所」と同じだと考えるとわかりやすいのではないでしょうか。
資格を持つ代表者が個人で事務所を開き、人事や労務管理の専門家として個人や法人などクライアントの依頼に応えています。
社会保険労務士(社労士)の資格を持っていれば実務ですぐに活かせますので、他者と比べて社会保険労務士事務所への就職や転職を有利に進められるのです。
社会保険労務士事務所で働くに当たり、次のような不安を抱えている方はいませんか?
- 自分は社会保険労務士(社労士)の資格を持っているけど実務経験がないから雇ってもらえないかも…
- 未経験OKの求人は給料が低いから生活できないのでは…
給料に関しては事務所でまちまちですので一概には説明できないものの、今まで社会人として働いていたのであれば人事総務経験や営業経験を活かして社会保険労務士事務所に転職することはできます。
人事総務経験があれば労務や給与計算の業務と合致していますし、営業経験で培ったコミュニケーション力も大いに活かせるでしょう。
また、社会保険労務士事務所に就職して実務経験を積み、社会保険労務士(社労士)の資格取得を目指すのも選択肢の一つですよ。
高卒で学歴の要件を満たせない人でも、3年間以上の実務経験があれば社会保険労務士(社労士)の受験資格を得られます。
※社会保険労務士(社労士)の試験の受験資格についてはこちらの記事をチェック!
大企業の人事課や経理課
大企業の人事課や経理課は、社会保険労務士(社労士)の資格が光ります。
高齢化社会が進む現代の日本では、時代に合わせて社会保険や雇用保険関係の法改正が度々行われます。
大企業の関係部署は、法改正の度にシステムについていくのが大変になるのです。
もしその情報に詳しい国家資格を持つ社会保険労務士(社労士)がいれば、企業にとって心強い存在なのは間違いありません。
大企業の人事課や経理課、総務部で社会保険労務士(社労士)の資格保有者が重宝される理由は次の3つです。
- 労務関係のプロとして人事や総務でそのスキルを活かせる
- 企業は外部の社会保険労務士(社労士)に頼らなくても良くなる
- 多少の手当てを支払っても全体的に見ればコストダウンに繋がる
現代では事務職の社員を募集する際に社会保険労務士(社労士)の資格取得者を積極的に雇う大企業も増えていますので、就職や転職で大いに役立ちます。
コンサルティング会社
社会保険労務士(社労士)の資格があると、コンサルティング会社でも重宝します。
コンサルティング会社で社会保険労務士(社労士)がどのような業務に携わるのかいくつか見ていきましょう。
- 担当している企業に対して人事や労務のアドバイスを行う
- 企業の雇用に関するコストの見直しを行う
- 社会的な信頼が得られる雇用体制を作る
仕事を通して企業の経営に間接的に携わることができるため、コンサルティング会社は社会保険労務士(社労士)の就職先や転職先の候補の一つです。
もし将来的に社会保険労務士(社労士)の資格を活かして独立を考えているのであれば、コンサルティング会社で培った業務が役立ちます。
※社労士のコンサルティング業務については、下記の記事も参考にしてください。
他の士業の法律事務所
社会保険労務士(社労士)の就職先や転職先は、社会保険労務士事務所だけではありません。
他の士業の法律事務所も求人を出していますので、社会保険労務士(社労士)の資格が活きてきます。
業務内容に関しては、賃金形態や労災、年金に関する相談などそこまで大きな違いはありません。
転職サイトや求人サイトでの案件が少ないのがデメリットですが、他の士業の法律事務所で働くのも選択肢の一つです。
年収がアップする確率が高くなる
社会保険労務士(社労士)の資格は、持っているだけで様々な企業や会社から引く手あまたの存在というわけではありません。
しかし、何もスキルを持たない人と比べてみると、社会保険労務士(社労士)の資格保有者は転職で年収がアップする確率が高くなりますよ。
例えば、一般企業に就職したり転職したりする際には、社会保険労務士(社労士)で年収のアップが期待できるでしょう。
社会保険労務士(社労士)のうち、15,000人程度は社会保険労務士事務所や法律事務所ではなく一般企業で働いています。
上記でも説明したように大企業の人事課や経理課ではこの資格が大きな武器になりますので、待遇が良い会社に転職するのは不可能ではありません。
ただし、社会保険労務士(社労士)の資格を活かして年収のアップを図るには次の点を心得ておくべきです。
- 社会保険労務士(社労士)の資格に加えて実務経験も必要
- 行政書士やファイナンシャルプランナーなど他の資格とのダブルライセンスが効果的
- 大幅に給料を増やすには独立開業する選択肢も考慮する
社会保険労務士(社労士)の平均年収や給料を上げる方法は、こちらの記事でも説明していますので一度ご覧になってください。
また、社労士のダブルライセンスについて関心のある方はこちらをどうぞ。
社会保険労務士(社労士)の資格を活かせる求人は多い?それとも少ない?
社会保険労務士(社労士)を取得して就職や転職を考えている方は、「求人の数は多いの?それとも少ないの?」と疑問を抱えるのではないでしょうか。
転職サイトやハローワークの求人数が多ければ多いほど、自分が希望する会社で働ける確率が高くなります。
結論から言うと、社会保険労務士(社労士)を募集要項に記載している求人数はそこまで多くありません。
東京都や大阪府などの都心部ではそれなりに求人数が充実していますが、地方ではこの資格を活かせる働き先が見つからないこともありますね。
なぜ社会保険労務士(社労士)の資格保有者を求める求人数が少ないのか、いくつかの理由を見ていきましょう。
- 社会保険労務士事務所は少人数制で回すことが多いため、出回っている求人自体が少ない
- 資格の有無ではなく実務経験を持つ経験者を優遇することが多い
- 試験に合格する前から人脈を作っている方が多い
もちろん、求人の案件の募集要項に社会保険労務士(社労士)の資格が記載されていなくても、一般企業では重宝されます。
企業の立場に立ってみると、勤務社労士がいると法的リスクを低減したり労働環境整備のコストを削減したりできますので、就職や転職で活躍できるわけです。
具体的に社会保険労務士(社労士)と関係する転職サイトの求人案件をいくつか挙げてみました。
- 労務管理の事務スタッフ(社会保険や労働保険の手続き代行など)
- グループ企業のリーダー候補(給与計算や雇用手続き、年末調整処理など)
- 人事コンサル営業(企業の人事や労務に関する課題の解決)
- 社会保険手続き担当事務(企業の給与計算や社会保険手続き実務)
- 保険サービスシステムのスタッフ(企業経営を支えるコンサルティングや社労士業務)
どの業界でも忙しい時期には求人が増えますので、転職サイトを使って社会保険労務士(社労士)の資格を活かせる仕事を探してみてください。
社会保険労務士(社労士)の資格を活かせる未経験OKの求人はあるの?
上記では社会保険労務士(社労士)の資格ではなく、実務経験の有無を重視して採用する会社や企業が多いと説明しました。
しかし、求人サイトや転職サイトで検索してみると、下記のように未経験OKの求人はあります。
- 未経験の方大歓迎、人柄重視の採用です
- 業界や業種未経験大歓迎
- 労務経験者歓迎、未経験者もOK
- 社労士合格を目指している方歓迎
- 【学歴資格不問】未経験歓迎
実務が未経験でも、社会保険労務士(社労士)の資格を活かして就職したり転職したりするのは不可能ではありません。
社会保険労務士(社労士)は会社経営を円滑に行うために欠かせない存在ですので、まだ資格を持っていない方は試験勉強を始めてスキルアップを目指してみてください。
社会保険労務士(社労士)は転職エージェントを使うべき?
社会保険労務士(社労士)としての市場価値を高めるには、関連業務の経験を積むのが何よりも大事です。
今後のキャリアプランを考える上で自分に合う企業を探す必要がありますので、社会保険労務士(社労士)は転職エージェントを使ってみてはいかがでしょうか。
転職エージェントと一口に言っても様々なサービスがありますが、転職を考えている人に対して次のサポートをしてくれます。
- これからどのようなキャリアを築きたいのか相談に乗ってくれる
- 自分が求めている非公開求人(一般サイトでは公開されていない求人)を紹介してくれる
- 職務経歴書の添削や面接対策で内定獲得率を高められる
- 求人の応募や面接日時の調整など面倒な手続きを代行してくれる
- 転職のサポートに加えて現職の退職の補助も同時に行ってくれる
今の会社を辞めて転職したい人にピッタリですので、関連業務の経験が浅い社会保険労務士(社労士)は是非一度転職エージェントに無料相談してみてください。
まとめ
社会保険労務士(社労士)の資格が就職や転職に役立つ理由はおわかり頂けましたか?
社会保険労務士事務所だけではなく、大企業の人事課やコンサルティング会社など働き先の選択肢は広がります。
通信講座を利用すれば働きながらでも社会保険労務士(社労士)の資格取得を目指せますので、スキルアップやキャリアアップを考えている方は勉強を始めてみてください。